新生児マススクリーニングガイド対象疾患等診療ガイドライン
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図4■1肝脳1 テトラヒドロビオプテリン(BH4)生合成経路とセピアプテリン還元酵素(SR)欠損症における障害部位4セピアプテリン還元酵素(SR)欠損症告された1).この3例は神経症状で発見され,赤血球SR活性は正常であったが,培養皮膚線維芽細胞のSR活性が低下していたと報告されている.この症例は当初,赤血球でSR活性を測定されていたが,正常であったため,見逃されていた.後に偶然患児の皮膚線維芽細胞でSR活性を測定さPhe:フェニルアラニン,Tyr:チロシン,Trp:トリプトファン,PAH:フェニルアラニン水酸化酵素,TH:チロシン水酸化酵素,TPH:トリプトファン水酸化酵素,GTP:グアノシン三リン酸,PTP:6⊖ピルボイルテトラヒドロプテリン,SR:セピアプテリン還元酵素,CR:カルボニル還元酵素,AR:アルドール還元酵素,DHFR:葉酸還元酵素,BH2:7,8⊖ジヒドロビオプテリン,BH4:テトラヒドロビオプテリン■: 酵素の欠損部位.線で囲った部分はセピアプテリン還元酵素(SR)欠損症におけるBH4合成の迂回路.脳では葉酸還元酵素(DHFR)活性は極めて低くこの迂回路はほとんど働いていないと考えられる.セピアプテリンCRBH2CR/ARDHFRPheTyrTrpGTPCR/ARPTPセピアプテリンSRSRBH4DHFRPAHTyrカテコールアミン↓THセロトニン↓TPHCRBH2疾患概要セピアプテリン還元酵素(SR;EC 1.1.1.153)欠損症(MIM #182125)は,2001年,Bonafeらにより,髄液中の5■ヒドロキシインドール酢酸(5■HIAA)とホモバニリン酸(HVA)の低値,ビオプテリンとジヒドロビオプテリンの高値を示す小児期発症の進行性精神・運動遅滞として初めて報

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