新生児マススクリーニングガイド対象疾患等診療ガイドライン
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RH1Oアロプレグナノロン3α, 5α-THDOCHR=COCH3R=COCH2OH図10■1HSD10(2M3HBD)の代謝経路HSD10:17βヒドロキシステロイド脱水素酵素10型,2M3HB:2⊖メチル⊖3⊖ヒドロキシ酪酸,2M3HBD:2⊖メチル⊖3⊖ヒドロキシブチリル⊖CoA脱水素酵素,2 MAA:2⊖メチルアセト酢酸,T2:アセトアセチル⊖CoAチオラーゼRNAD+ HSD10病は,進行性の神経変性,てんかん,網膜症,心筋症などを特徴とするまれな神経代謝性疾患である.イソロイシン代謝系の2■メチル■3■ヒドロキシブチリル■CoA脱水素酵素(2M3HBD)欠損症(MIM #300438,*300256)として2000年に最初に報告された1).βケトチオラーゼ欠損症の1つ上流のステップが障害されるため,βケトチオラーゼ欠損症と同様に2■メチル■3■ヒドロキシ酪酸(2M3HB),チグリルグリシン(TIG)が尿中に排泄される(図10■1). 現在,国内の新生児マススクリーニング(NBS)における一次対象疾患には含まれていないが,βケトチオラーゼ欠損症の鑑別のうえでも重要となる疾患である.臨床像に大きな幅があるが,重症例では神経退行をきたし予後不良である. 責任遺伝子は■■■■■■■■であるが2),この遺伝子は以下の3つの機能をもつムーンライト蛋白(1つの蛋白が複数の全く異なる働きをする蛋白)をコードしている.① イソロイシン代謝系の2M3HBD② ミトコンドリア内コレステロール代謝系の17β■hydroxysteroid脱水素酵素HOコレステロール代謝ミトコンドリアRNasePHSD10MRPP1MRPP33つのサブユニットの1つとして機能NADHHSD105α-DHP5α-DHDOCHSD10(2M3HBD)プロピオニルCoAイソロイシンチグリルグリシンチグリルCoA2M3HB-CoA2MAA-CoAT2アセチルCoA尿有機酸カルニチンチグリルカルニチン(C5:1)2M3HB2M3HBカルニチン(C5-OH)2MAA疾患概要10HSD10病

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