新生児マススクリーニングガイド対象疾患等診療ガイドライン
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図12■1糖新生系の代謝経路1 代謝経路 糖新生系は飢餓時において解糖系を逆方向に進めることでブドウ糖を産生する経路であり,乳酸,グリセロール,アミノ酸(アラニンやグルタミンなど)をおもな基質とする.PEPCKは糖新生系においてオキサロ酢酸とGTPからホスホエノールピルビン酸とGDPとCO2を産生する反応を触媒する酵素である1).■■■■遺伝子の転写はグルカゴン,コルチゾール,カテコールアミンなどによって促進され,インスリンによって抑制される2).1グルコースG6Paseグルコース-6-リン酸FBPaseフルクトース-1,6-ビスリン酸ホスホエノールピルビン酸GDPPEPCKGTPオキサロ酢酸グリコーゲンピルビン酸PCアセチルCoATCA回路αケトグルタル酸グリセロール乳酸アラニングルタミン酸アンモニアグルタミン疾患概要ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK;EC 4.1.1.32)は,糖新生系においてGTP依存性にオキサロ酢酸をホスホエノールピルビン酸に変換する酵素である.細胞質では■■■■遺伝子(MIM #261680,*614168,20q13.31)によってコードされるPEPCK1が,ミトコンドリアでは■■■■遺伝子(MIM #261650,*614095,14q11■q12)によってコードされるPEPCK2が存在している.PEPCK欠損症はPEPCK1またはPEPCK2の欠損を原因として低血糖や高乳酸血症などをきたす常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)疾患である.(PEPCK)欠損症12ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ

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