新生児マススクリーニングガイド対象疾患等診療ガイドライン
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1) 青木菊麿:新生児マススクリーニングで発見された疾患の追跡調査.小児内科1991;23:1887■1891.2) Dias Costa F, et al.:Galactose Epimerase Deficiency:Expanding the Phenotype. JIMD Rep 2017;37:19■25.3) Tamary H, et al.:A clinical and molecular study of aBedouin family with dysmegakaryopoiesis, mild anemia,2 主要症状および臨床所見p.Val94Metホモ接合体の全身型では,ガラクトース血症Ⅰ型と同様,哺乳量低下,急性肝不全,低身長,発達遅滞,白内障などを起こすが,感音難聴や四肢顔面の奇形を伴うことが多いのが特徴・血中ガラクトース上昇・血中ガラクトース■1■リン酸上昇も優位に上昇するのが特徴的である.・赤血球GALE活性低下・ガラクトース血症Ⅰ型,Ⅱ型,Ⅳ型・シトリン欠損症などの胆汁うっ滞性疾患・門脈体循環シャント施設が限定されている)④ ■■■■遺伝子に両アレル性の病的バリアン 全身型が重症型であるが,末■型は無症状であ▶ ガラクトース■1■リン酸がガラクトースより▶ 疾患特異的な検査であるが,2021年現在,保険収載されていない.一部の施設で研究的検的である2). 一方で,p.Arg51Trpホモ接合体の全身型では汎血球減少が特徴的であり,なかには重篤な血小板減少による頭蓋内出血や深部出血をきたした例も報告されている3■5). 末■型は特に症状を呈さない.な血小板減少を特徴とする汎血球減少を起こしうる. 末■型は特に異常を認めない.査として行われている.・ ■■■■遺伝子解析による両アレル性病的バリアントの検出▶ 確定診断に重要な疾患特異的な検査である.2021年現在は保険収載されていないため,研究的検査として行われている.・Fanconi■Bickel症候群詳細は「新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019」を参照のこと5).トを同定する(2021年現在は保険収載されておらず,研究的検査のみとなっている)①と②を満たし,かつ③または④のいずれかを満たす場合を確定診断例とする.ると考えられている. 「ガラクトース血症Ⅱ型」の項を参考のこと.なお,2021年現在,日本で全身型の症例は報告され 末■型であれば,2歳頃まで経過をフォローアップし,卒乳後も血中ガラクトース■1■リン酸 末■型であれば合併症などを起こさないと考えられている.ていない.全身管理を行う. 末■型では急性発作はきたさないと考えられている.移や出血の有無を定期的にフォローすべきである3,4).末■型では不要であると考えられている.の上昇がなく,発達・発育に問題がない場合はフォロー終了とする.4) Seo A, et al.:Inherited thrombocytopenia associatedwith mutation of UDP■galactose■4■epimerase(GALE). Hum Mol Genet 2018;28:133■142.5) Markovitz R, et al.:Expansion of the clinical phenotypeof GALE deficiency. Am J Med Genet A 2021;185:3118■3121.6) 日本先天代謝異常学会 編:新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019.診断と治療社,2019:101■112.and neutropenia cured by bone marrow transplantation. Eur J Haematol 2003;71:196■203.23文献13-1 ガラクトース血症Ⅲ型―ウリジル二リン酸ガラクトース—4—エピメラーゼ(GALE)欠損症参考となる検査所見p.Val94Metホモ接合体の全身型ではガラクトース血症Ⅰ型と同様に,肝逸脱酵素の上昇,ビリルビン値の上昇,腎機能障害,易感染性を呈する.p.Arg51Trpホモ接合体の全身型では,重篤診断の根拠となる特殊検査鑑別診断診断基準①血中ガラクトースが高値である②血中ガラクトース■1■リン酸が高値である③ GALE活性の低下を示す(2021年現在は実施重症度分類新生児マススクリーニング(NBS)で疑われた場合急性発作で発症した場合の診療 肝不全などの症状を認めた場合,全身型としてガラクトース血症Ⅰ型に準じた対応が必要である.確定診断を待たずに乳糖制限を開始しつつ,慢性期の管理p.Arg51Trpホモ接合体の全身型では,重篤な血小板減少を伴う汎血球減少に対して造血幹細胞移植を要した例も報告されているため,血算の推フォローアップ指針成人期の課題

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