新生児マススクリーニングガイド対象疾患等診療ガイドライン
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下3 血中アミノ酸および関連代謝物・ 血漿メチオニン低下■正常(基準値20〜40射26,29)もしくは経口23,30)にて投与する.ただし,ロイコボリン®の適応症にHFMはないため,適応1 一般血液・ 大球性貧血・巨赤芽球性貧血,好中球過分葉・ 白血球減少や血小板減少がみられることもある2 免疫学的検査18,19)・ T+B+NK+型複合免疫不全・ 低γ■グロブリン血症(IgG,IgM,IgA)・ マイトジェンに対するリンパ球芽球化反応の低1 血清葉酸値の測定:低値(基準値4 ビタミンB12欠乏症の鑑別のため,血清ビタミンB12値の測定も併せて実施する.2 経口葉酸負荷試験生理量の経口負荷(小児1.5 mg/日)では血清葉酸値の上昇を認めない. 薬理量での経口負荷後(300 mg/日)でも血清葉酸値の上昇は,通常予想される血中濃度よりは・ 葉酸欠乏症〔食事性,非特異的な吸収障害,薬剤性(フェニトインなど)〕・ ビタミンB12欠乏症・ 重症複合免疫不全症・ メチオニン合成酵素(MS)欠損症μmol/L)7,16,22)・ 血漿サルコシン高値(基準値 痕跡レベル)7)・ 血漿総ホモシステイン増加(基準値15μmol/L以下)22■24)4 画像検査・ 一部に大脳基底核に石灰化5,16,23,25)5 骨髄穿刺・ 巨赤芽球性貧血の所見るかに低い.3 脳脊髄液葉酸値:低値(基準値 血清葉酸値:脳脊髄液葉酸値=1:2~3) 薬理量の投与で血清葉酸値の上昇を認めても,血清葉酸値:脳脊髄液葉酸値=1:2〜3まで上昇しない21,23,25)4 遺伝子解析 原因遺伝子である■■■■■■■遺伝子の両アレルに病因変異を認める1■3)・ ホルムイミノトランスフェラーゼ欠損症27)・ ミトコンドリア病(Kearns■Sayre症候群など)28)・ 脳葉酸欠乏症(葉酸レセプターα欠乏症を含む)・ 赤白血病1 確定診断① 血清葉酸値の測定:低値② 経口葉酸負荷試験:負荷後も血清葉酸値の有意な上昇が認められない 先天性代謝異常症の重症度評価(日本先天代謝異常学会)を用いる(表16■1).中等症以上が指定難病の医療費助成の対象となる(ただし,軽症 新生児マススクリーニング(NBS)の対象疾患1 貧血 葉酸欠乏により巨赤芽球性貧血となるが,汎血球減少となることもある.発見時には,輸血が必要なほどの貧血となっていることがあるが,葉酸の非経口投与により数日で改善する.2 免疫不全 重症複合免疫不全症のように,液性および細胞性免疫不全により,乳児期から感染症を繰り返す.低免疫グロブリン血症に伴うニューモシスチス肺炎,クロストリジウムディフィシルやサイトメガロウイルス感染に対する適切な感染症治療を行う.IgA欠損では,IgAを含む輸血,免疫グロブリン製剤の輸注により,重篤なアナフィラキシー反応がみられる可能性があるため,血清IgA 薬理量の5■ホルミルテトラヒドロ葉酸〔ホリナートカルシウム(ロイコボリン®)〕を筋肉注③ 髄液葉酸値:低値④ ■■■■■■■遺伝子の変異解析を実施し,両アレルに病因変異を認める①および②が証明された場合,もしくは④が証明された場合に,HFMと診断する.でも一定額以上の医療費がかかる場合は対象となる).ではない.の確認が必要である.3 神経症状 精神遅滞,認知および行動障害,運動障害,運動失調など様々な症状で発症し,治療されない場合,多くの患者はけいれん重積を発症する.けいれん重積の場合は,全身管理と抗けいれん薬による治療を行い,HFMが疑われれば,葉酸非経口投与を開始する.しかし,葉酸の投与で貧血や免疫不全などの症状は改善しても,脳脊髄液の葉酸値は低値のままである可能性がある.そのため,適宜,脳脊髄液の葉酸値を測定し,投与量を調整する必要がある.4 頭部CTまたはMRI 大脳基底核に石灰化病変を認めることがある.16 先天性葉酸吸収不全(HFM)23ng⊘mL以上)参考となる検査所見診断の根拠となる特殊検査鑑別診断診断基準重症度分類新生児マススクリーニング(NBS)で疑われた場合急性発作で発症した場合の診療慢性期の管理

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