新生児マススクリーニングガイド対象疾患等診療ガイドライン
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PPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPNPPPPCPPPPPPPPPPPPPPPPNPPPPPPPNPPPPPPPPPPPPPPPPP1図18■1GPIアンカー型蛋白(GPI⊖AP)の生合成と輸送GPIアンカー型蛋白(GPI⊖AP)は,小胞体(ER)でグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)と前駆蛋白が別々に合成される.最初のステップはGPI⊖GlcNAcトランスフェラーゼ複合体(GPI⊖GnT)によってホスファチジルイノシトール(PI)にN⊖アセチルグルコサミンが付加される.最近同定されたCLPTM1LはグルコサミンPIをERの細胞質側から内腔にフリップさせるスクランブラーゼである.GPIが完成すると,GPIトランスアミダーゼ複合体(GPIT)が前駆蛋白のC末端のGPI付加シグナルを認識してωサイトのアミノ酸のC末端で切断しGPIのエタノールアミンリン酸のアミノ基を介してGPIを付加する(右上部の吹き出し部分参照).その後もERではイノシトールのアシル基がPGAP1によって,2番目のマンノースの側鎖であるエタノールアミンリン酸がPGAP5によって除かれる.これらの修飾はERからGolgi体への効率的な輸送に必要である.Golgi体ではPGAP3が脂肪酸のsn⊖2の不飽和脂肪酸を除去した後,PGAP2が関与する反応で飽和脂肪酸(多くはステアリン酸)が付加される.これによりGPI⊖APがラフトとよばれるコレステロールに富んだドメインに局在できるようになる.PPωω+1ω+2 グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)は糖脂質の一つであり,蛋白を細胞膜に結合させる役割を担っている.このようなGPIを介して細胞膜表面に係留される蛋白のグループはGPIアンカー型蛋白(GPI■AP)とよばれる.哺乳類においては現在までに150種以上のGPI■APが知られGPI-GnTPIGLCLPTM1LPIGAPIGQPIGCPIGPPIGYPIGHDPM2切断GPIPLD細胞膜細胞膜Golgi体小胞体(ER)先天性GPI欠損症(IGD)GDPDPM1DPM2DPM3MPDU1PIGXPIGMPIGVPIGNPIGBPIGOPIGFPIGWホスファチジルイノシトールGPI-APPGAP6ラフトラフトPIG遺伝子群B3GALT4PGAP6GPI付加シグナルPGAP2PGAP3GPITPIGTGPAA1PIGSPIGUPIGKPIGGPIGFPGAP1グルコサミンマンノースエタノールアミンリン酸ドリコールリン酸前駆蛋白質PGAP遺伝子群CGPITPGAP5蛋白N-アセチルガラクトサミンガラクトースシアル酸GPI-AP細胞質疾患概要(GPI)欠損症18先天性グリコシルホスファチジルイノシトール

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