新生児マススクリーニングガイド対象疾患等診療ガイドライン
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❷ Probable・ 「1.症状」の「①主症状」+「2.検査所見」の「①●●●●」を満たすもの注)*8:軽症例や病型によっては(PGAP1,PGAP3,PIGG欠損症など),「2.検査所見」の「①●●●●」を満たさないものがあるので,「1.症状」の「①主症状」に加え,「1.症状」の「②*3:PGAP2欠損症では,GPIの脂質リモデリング異常のため,リゾ体(脂質部分の脂肪酸の一方が外れた一本鎖のリン脂質)で発現し,膜との結合が弱く,細胞表面から放出されるので,膜上のGPI■APの発現が減るとともに高ALP血症をきたす.*4:ARV1欠損症ではfibroblastにおいてGPI■APの低下が報告されているが,末■血については不明である.*5:PIGT欠損症などGPIT欠損症では,ERにて前駆蛋白がプロセスされないため,そのまま壊されて,分泌されず膜表面の発現も低下する.重症例では骨の形成不全を示す.❷ GPI⊖APの発現低下を伴わない型〔フローサイトメトリー解析で顆粒球におけるCD16(GPI⊖AP)の発現低下を伴わないIGD〕発現は正常であるが,GPIの構造の異常により症状をきたす.・高ALP血症を伴うIGDPGAP3*6欠損症など・正常ALP値のIGDPGAP1*7,PIGG欠損症など注)*6:PGAP3欠損症では,GPIの脂質リモデリング異常のため,細胞表面のラフトとよばれる・ 高ALP血症(年齢別正常値の上限を超える)*・ 手指・足趾のX線写真で末節骨欠損*・ 聴性脳幹反応(ABR)の異常*・ 多くは末■血顆粒球のフローサイトメトリー解析によりCD16の発現低下を示す**(2022年3月時点,保険収載申請中).・ 遺伝学的検査**(2022年4月より保険収載)▶ GPI■APの生合成および発現・修飾・輸送に関与する遺伝子(■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■, IGDが原因でない大田原症候群,West症候群,Lennox■Gastaut症候群のような重度のてんかん 指定難病はDefinite(確定),Probable(疑診)を対象とする.1 症状❶ 主症状周産期異常を伴わない知的障害があり,多くは運動発達の遅れ,てんかんを伴い,時に家族歴を認める.❷ その他の頻度の高い症状・ 新生児期,乳児期早期発症の難治性てんかん・ 顔貌異常:両眼解離,幅の広い鼻梁,長い眼裂・テント状の口,口唇・口蓋裂,耳介の形態異常・ 手指,足趾の異常:末節骨の短縮,爪の欠損・低形成・ その他の奇形:肛門・直腸の異常,無ガングリオン性巨大結腸,水腎症,心奇形等・ 難聴,眼・視力の異常・ 皮膚の異常:魚鱗癬など・ 筋緊張低下,関節拘縮,四肢の短縮・高ALP血症2 検査所見❶ ●●●●多くはフローサイトメーターを用いた末■血顆粒球解析により,CD16の発現低下を示す**(保険収載申請中).❷ ●●●●以下の検査所見がみられることがある.・ 高ALP血症(年齢別正常値の上限を超える)*・ 手指・足趾のX線写真で末節骨欠損*・ ABRの異常*・ 脳MRIのDWIにて基底核に高信号,進行性の小脳萎縮,髄■の遅延*の症例,てんかん,筋緊張低下と知的障害,内臓奇形のうち,複数を合併する症例.3 遺伝学的検査**(2022年4月より GPI■APの生合成および発現・修飾・輸送に関与する遺伝子(■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■■,■■■■,■■■■■,■■■■■,■■■■■,■■■■■,■■■■■,■■■■■■■■,■■■■など)のいずれかに病的変異を認める.4 鑑別診断 IGDが原因でない大田原症候群,West症候群,Lennox■Gastaut症候群のような重度のてんかんの症例,てんかん,筋緊張低下と知的障害,内臓奇形のうち,複数を合併する症例.5 診断のカテゴリー❶ Definite・ 1)「1.症状」の「①主症状」+「2.検査所見」の「①●●●●」+「3.遺伝学的検査」を満たすもの・ 2)「2.検査所見」の「①●●●●」を満たさないが,「1.症状」の「①主症状」+「1.症状」の「②その他の頻度の高い症状」のうち1項目以上+「3.遺伝学的検査」を満たすもの*818 先天性グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)欠損症45特殊なドメインに局在できない.*7:PGAP1欠損症では,イノシトールのアシル基が除去されず,3本の脂質で細胞表面に発現するので,リパーゼなどに抵抗性になり,生理的な切断が起こらないと考えられる.2 主要症状および臨床所見❶ 主症状原因不明の知的障害があり,多くは運動発達の遅れ,てんかんを伴い,時に家族性にみられる.❷ その他の頻度の高い症状・ 新生児期,乳児期早期発症の難治性てんかん・ 顔貌異常:両眼解離,幅の広い鼻梁,長い眼裂・テント状の口,口唇口蓋裂,耳介の形態異常・ 手指,足趾の異常:末節骨の短縮,爪の欠損・低形成・ その他の奇形:肛門・直腸の異常,無ガングリオン性巨大結腸,水腎症,心奇形,横隔膜ヘルニアなど・ 難聴,眼・視力の異常・ 皮膚の異常:魚鱗癬など・ 筋緊張低下,関節拘縮,四肢の短縮・ 脳MRIの拡散強調画像(DWI)にて基底核に高信号,進行性の小脳萎縮髄■化の遅延*■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■,■■■■■,■■■■,■■■■■,■■■■■,■■■■■,■■■■■,■■■■■,■■■■■■■,■■■■など)のいずれかに病的変異を認める.保険収載)参考となる検査所見診断の根拠となる特殊検査鑑別診断診断基準

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