お知らせ

シスチン尿症におけるチオラ欠品の際に想定される代替方法について

日本先天代謝異常学会会員 各位

この度の / マイラン製薬株式会社(製造販売)、ファイザー株式会社(5月まで 販売)ヴィアトリス製薬株式会社(6月以降 販売)のチオラ錠供給停止の件では、会員の先生方におかれましては、大変ご心配、ご苦労をされていることと拝察申し上げます。
チオラ錠が本年7月以降、供給停止となるとの連絡が届きました。日本先天代謝異常学会として推奨できる最良の代替方法はありませんが、以下の2つの代替方法を提案いたします。なお、記載順位は、臨床的影響、実現性、患者への負担などを考慮したもので、推奨順ではありません。学会員の先生方のご見識、ご経験と患者との信頼関係のもとに、現状で選択できる最善の代替方法をご採用頂きますよう、お願い申し上げます。

2022年5月26日

日本先天代謝異常学会 理事長 奥山虎之
薬事委員会委員長 中村公俊
シスチン尿症検討WG 伊藤哲哉、濱崎考史、長尾雅悦



シスチン結石の再発予防として
(1)飲⽔指導(1日尿量2,500ml以上の維持)と⾷事指導、尿のアルカリ化
(2)患者の状況に応じた適切な薬剤投与があります。



(1)飲⽔指導と尿のアルカリ化の推奨

シスチン結石形成の防止のためには、まず⼗分な飲⽔により尿量を増やし、尿中シスチン濃度をその飽和溶解度である250mg/l未満にすることが重要である。1日尿量2,500mlの場合、24時間尿中シスチン排泄量の⽬安は600mg程度である。また、尿のアルカリ化によりシスチンの溶解度はさらに上昇するため、適正な尿pHのコントロールも必須である。ただし過度のアルカリ化は、リン酸カルシウム結石形成の危険因⼦となるため、尿pHの調整は7.0〜7.5程度までが望ましい。(中略)⾷事指導として、尿酸性化を助長する⾷物(砂糖や動物性蛋⽩質)の制限は有効である。理論的には、シスチンやその前駆物質のメチオニンの制限も考えられるが実際的ではない。(尿路結石症診療ガイドライン初版(2002年)より抜粋)

飲⽔指導
⼗分な⽔分摂取を促し、尿中シスチン濃度を低下させる。

尿のアルカリ化としての処方
・クエン酸製剤(ウラリット®等)*
・アセタゾラミド(ダイアモックス®等)*
・炭酸⽔素ナトリウム*

(2)キレート剤変更による薬剤療法

チオプロニン(チオラ)の他、D-ペニシラミン、カプトリルなどが海外では使用されている。両者は我が国では保険適応でなく、副作用も大きいため、慎重に使用すべきである。
・D-ペニシラミン(メタルカプターゼ®等)*:副作用として、発熱、発疹、関節痛などの中毒症状のほか、ネフローゼ症候群、汎血球減少症、全身性エリテマトーデス様反応などがある。
・カプトリル(カプトプリル®等)*:有効性は劣るが中毒性は低い。副作用として、血圧低下、乾性咳嗽などがある。

*医薬品として認められているが、シスチン尿症に対して保険適応外である。



【参考文献】
Türk C, et al. EAU Guidelines on Urolithiasis 2020
Pearle MS, et al. Medical Management of Kidney Stones: AUA Guideline 2014
日本泌尿器科学会 シスチン尿症におけるチオラ欠品の際に想定される代替方法について
http://plaza.umin.ac.jp/~jsur/link/4.pdf



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